現在、我々は、高齢化社会、生活習慣病の増加、医療費の高騰など、さまざまな社会問題に直面しています。しかし、新薬開発には膨大なコストと時間、労力がかかるため、これらの問題には十分に対応できていません。これは、培養細胞やマウス、患者のサンプルなどを用いた従来の創薬手法では、効率的な創薬プロセスの実現が困難なためです。合田研究室は、飼育・繁殖が容易で迅速かつ安価であり、倫理的なハードルもなく、哺乳類と同様の遺伝子や薬物反応を持つショウジョウバエを利用することで、創薬プロセスの効率化を図ります。ショウジョウバエを用いた創薬スクリーニングのプラットフォームを構築し、がん、心臓病、脳梗塞、リウマチ、糖尿病など様々な疾患に対するリード化合物を同定することを目指しています。
参考文献
- M. Sonoshita, A. P. Scopton, P. M. U. Ung, M. A. Murray, L. Silber, A. Y. Maldonado, A. Real, A. Schlessinger, R. L. Cagan, and A. C. Dar, "A whole-animal platform to advance a clinical kinase inhibitor into new disease space", Nature Chemical Biology 14, 291 (2018)
- P. M. U. Ung, M. Sonoshita, A. P. Scopton, A. C. Dar, R. L. Cagan, and A. Schlessinger, "Integrated computational and Drosophila cancer model platform captures previously unappreciated chemicals perturbing a kinase network", PLOS Computational Biology 15, e1006878 (2019)
ショウジョウバエを用いた創薬
- 現場リーダー: PETERSON Jorgen Walker (渡)
- 研究支援: JST研究成果展開事業大学発新産業創出プログラム、AMED創薬基盤推進研究事業
- 共同研究: セレンディピティラボ、園下将大(北海道大学)、小松崎民樹(北海道大学)、Ross Cagan(グラスゴー大学)