細胞から放出されるエクソソーム(直径50-150nmの脂質二重膜により構成される細胞から分泌される細胞外小胞)は、再生医療、がん治療、免疫療法の分野はもちろん、美容医療の分野でも注目を集めています。しかし、これらのエクソソームが人体においてどのような治療効果やリスクを持つかについては、まだほとんど解明されていません。我々は、合田研究室でこれまでに培われてきた世界トップクラスの技術を駆使して、エクソソームを利用した治療法の品質と機能を評価する新たな方法を確立することを目指しています。この研究は三つの柱(正常細胞と老化細胞の識別法の開発、細胞由来エクソソームの機能解析、新たな老化制御法の探索)を基に進められ、再生医療の「質」の向上と、加齢や関連する疾患への新しい予防・治療方法の開発により革新をもたらすことを目標としています。また、合田研究室では、エクソソームの表面工学を駆使した画期的な細胞の若返り効果を持つ治療法を開発しています。
参考文献
- Chen et al, "Small extracellular vesicles from young plasma reverse age-related functional declines by improving mitochondrial energy metabolism ", Nature Aging 4, 814 (2024)
- van Niel et al, "Challenges and directions in studying cell-cell communication by extracellular vesicles", Nature Reviews Molecular Cell Biology 23, 369 (2022)

細胞老化制御
- 現場リーダー: 松村 寛行、DING Tianben、LISI Fabio
- 研究支援: JST ASPIRE、XPRIZE Healthspan
- 共同研究: セレンディピティラボ、末次志郎(奈良先端科学技術大学院大学)