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加齢に伴い、身体機能、認知機能、免疫機能は徐々に低下していきます。私たちは、個々の加齢関連疾患を別々に治療するのではなく、老化の根本的な生物学的プロセスに介入し、健康寿命を延伸する若返り技術の開発を目指しています。

私たちは最近、エクソソーム(細胞外小胞:EV)の表面を加工することで、標的細胞への送達を飛躍的に高めるSuper Homotypic Targeting(SHT)技術を開発しました。SHTは、特異的な細胞–エクソソーム間相互作用を25倍以上に増強し、生理活性物質を標的細胞へ効率的に届けるための新たなプラットフォームです。本成果は2026年にNature Biomedical Engineeringに掲載されました。

この技術を基盤として、私たちは若返りのための「スーパーエクソソーム」を開発しています。スーパーエクソソームは、再生・若返りに関わる分子を老化・機能低下した細胞へ効率的に届けるよう設計したエクソソームです。老齢マウスを用いた前臨床研究では、良好な安全性を示しながら、健康寿命に関連する複数の機能を大幅に改善しました。

これらの成果により、2026年、合田研究室は世界的な健康寿命延伸コンペティション「XPRIZE Healthspan」のTop 10 Finalistに選出され、100万米ドルのMilestone 2 Awardを受賞しました。XPRIZE Healthspanは、筋・認知・免疫機能を少なくとも10年、目標として20年若返らせる治療法の実現を目指しています。

次の目標は、スーパーエクソソームを前臨床研究からヒトを対象とした臨床研究へ展開し、その安全性と有効性を検証することです。最終的には、加工エクソソームを用いた新しい若返り・健康寿命延伸医療の実現を目指します。

合田研究室が主導する細胞老化制御寄付講座でも本研究を実施しています。


参考文献


若返りを実現するスーパーエクソソーム

  • 現場リーダー: 松村 寛行、DING Tianben、LISI Fabio、LEE Kelvin、CHOI Yonghyun
  • 研究支援: JST ASPIRE、XPRIZE Healthspan
  • 共同研究: セレンディピティラボ、末次志郎(奈良先端科学技術大学院大学)